木で家具を作る場合の厄介なモノがき反りやネジレがあります。
絵は少々オーバーに描いていますが乾燥のやり方によっては絵のようにもなってしまいます。
一見、真直ぐに見える板も厳密にはすべて木材は反りやネジレと言った特有の癖を持っています。
木製で家具をデザインする場合はこの特性を考慮してデザイしなければなりません。
この特性は少し厄介にも思えますが
実はこれが合板などにない木製の強度を作り出しますになります。
例えば図のように箱にした時、板はネジレたくてもネジレる事が出来ません。
この時、木の癖は消えて矢印のように内側に力だけが残り箱全体の強度を作ります。
この強度がどれくらのものかは樹種、木の乾燥状態、部位などにより異なるため知識として得るには経験と技術が必要です。
木材の癖を取り除いた合板ではこの強度は作り出せません。
木材で構造物(住宅、家具)をデザインする場合はこの知識は重要な基礎知識となります。
この知識は机上の理論では得ることは出来ません。
木を切ったり、削ったり、長い年月の観察・・と言った経験が必要で理屈では解決だきません。
現存する昔の建物や家具を見るとこの癖の計算が見事にされていて感心してしまいます。
それに比べると現在のものはそうした知識や経験を無視し理屈だけで作る傾向が有ります。
一見同じように見える物も使ってみればすぐに違いは出てきます。
記述者ー三谷正昭
1953年3月大阪生まれ
歩くこと、サイクリング、 仕事
壁面にピッタリの本棚作り